今日の一言
「私たちは、まさか自分たちが睡眠に辿りつくとは思っていなかった。あれは、いわば生化学の釣り旅だった。」
Masashi Yanagisawa, 筑波大学教授 (via Live Science, 2026)
解説
Yanagisawa が当時追いかけていたのは、「オーファン受容体」と呼ばれる、まだ何によって活性化されるか誰も知らないタンパク質群だった。彼は睡眠を狙っていたわけではない。しかしその問いが、彼をオレキシンに、ひいては覚醒の仕組み全体に導いた。Mignot はまったく反対方向から入った。突然倒れる犬たちを追いかけていたのだ。二本の長距離走が、数年後にぶつかり合う。ここで Luminis が読むのは、「科学には根気が要る」という古い言い回しではない。もっと別のことだ。二十年前に投げた問いは、その答えが将来何のために使われるかを、教えてはくれない。誠実な問いそのものが、その学問だ。答えの意味は、後ろを振り返ってようやく見えてくる。