今週、あなたが気づいていないかもしれないニュースがひとつある。ハーバードが2027年秋から、学部の各授業でA評価を与えられる学生を、クラスの20%(プラス4人)までに制限すると決めた。要するに、ハーバードのAは、もっと取りにくくなる。
その政策自体は、たぶんあなたには関係ない。私が心を留めたのは、Bloombergの記者が構内で在校生に話を聞いたときに返ってきた、ひとつの言葉だ。歴史と心理学を専攻する大学3年、Colleen Meoskyは、こう言った。
「一年生のときほど、冒険しなくなった。『学ぶこと自体のために学ぶ』が、将来の仕事の可能性より重いとは、私には思えない。」
すぐに彼女にレッテルを貼らないでほしい。怠けているのではない, ハーバードに合格した19歳の学生だ。野心がないのでもない, 自分がどんな機械の中にいるか、その機械が「車線からはみ出す人」にどれだけ冷たいかを、彼女は痛いほど分かっている。彼女はただ、この時代がすべての学生の胸に置いているものを、一文で言葉にしただけだ。
この文が少し痛いなら、あなたは意味を分かっている。授業を選ぶとき、専攻を選ぶとき、プロジェクトを選ぶとき、心の中の見えない天秤が、もう「これに興味があるか?」ではなく「これは履歴書に加点されるか?」を測っていることに、気づいているかもしれない。純粋な好奇心で何かを学んだ最後の日を、思い出せないかもしれない。
それはあなたの落ち度ではない。目の前に並ぶ扉, McKinsey、Google、藤校の大学院、投資銀行、ロースクール, すべてが、同じことを告げている。一点少なければ、扉がひとつ閉まる。ハーバードの学部教育担当ディーンが自分の口で言っている。「みんなAを欲しがる。Aがマッキンゼーやグーグルの内定に繋がると思うからだ。でも、みんながAを取ったら、もうAでは足りなくなる。」あなたは、水準を上げつづける軍拡競争のなかにいる。あなたの慎重さは、理にかなっている。
けれど、これも聞いてほしい。国のいちばん学力の高い若者たちが「好奇心を持たない」ほうへ学習されているとき、その国は、未来にとってもっとも大切なものを失っていく。 あなたに残る、あの静かな痛みは、そのものがまだあなたの中にある証だ。死んではいない。ただ、深いところに押し込まれている。
だから、進路を投げろ、とは言わない。ひとつだけお願いしたい。今学期、すでに組んだ「役に立つ」授業の中に、自分のためのものを一つ、こっそり戻してほしい, 目的のないまま読む本を一冊、純粋な好奇心で潜り込む講義を一コマ、履歴書に一行も書けない週末の何かを一つ。誰にも言わなくていい。理由を説明しなくていい。あなたが隠してきた、まだ死んでいない好奇心という機械に、一度だけ息を吸わせてやってほしい。
いつか、あなたはその機械を必要とする日が来る。仕事のためではなく、自分のために。そのとき、19歳で完全にスイッチを切らなかった自分を、心から良かったと思うはずだ。
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