これは、U.S. News の 2027 年版「全米大学ランキング」方法論に対する、私たちの読みです。元のランキングページを見る →
2027 年版で、Harvard は首位ではない。Princeton でもない。MIT だ。
2027 年版の全米大学ランキングは、2026 年 9 月 22 日に発表された。上位十校はこうだ。
1. MIT
2. Princeton
3. Harvard
4. Yale
5. Caltech と Stanford が並ぶ
7. University of Pennsylvania
8. Duke
9. Johns Hopkins、Northwestern、University of Chicago の三校が並ぶ
リベラルアーツ・カレッジの上位十校はこうだ。
1. Williams
2. Amherst
3. Bowdoin、Claremont McKenna、Pomona、Swarthmore、United States Naval Academy の五校が並ぶ
8. Harvey Mudd
9. United States Military Academy
10. Wellesley
覚えておく価値のある動きが二つ。MIT が首位に立ち、2012 年版から Princeton が守ってきた位置が入れ替わった。Caltech は十一位から五位へ上がった。
もう十分を使う価値があるのは、どの学校が動いたかではない。なぜこの一覧が動いたか、のほうだ。答えはこうだ。U.S. News は三年のうちに二度、測る道具そのものを取り替えた。そして二度目は、ほとんど報じられていない。
一度目は 2024 年版で、取り替えたのは物差しだった。二度目は今年で、取り替えたのは「誰と並べて測るか」のほうだ。
2027 年版は、学校を分類する基準を 2021 年版の Carnegie 分類から 2025 年版へ入れ替えた。その結果、これまで順位がついていた学校のおよそ五校に一校が、昨年とは違う区分に移った。 どの学校も自分が属する区分の中で順位づけされるから、区分が変わるということは、競う相手が丸ごと入れ替わるということだ。
U.S. News 自身がこう注意している。2027 年の順位を、過去の年と直接比べてはならない。
この注意を持ったまま、もう一度上の一覧を見てほしい。MIT が首位に立ち、十五年続いた位置を入れ替えた。それは事実だ。そして見出しが見せるよりも複雑だ。 五校に一校が比較対象の集団を変えていて、発表した側が年をまたいだ比較は成り立たないと言っているとき、「誰が誰を抜いたのか」という問い方そのものが、いくらか力を失う。これを知ることは、そのニュースを無視する理由ではない。そのニュースが何の上に立っているかを知る、ということだ。
順位は、あなたが見に来たものだ。もう十分だけ使う価値があるのは、なぜ入れ替わったのかのほうだ。この一覧が測っているものは 2024 年に一度解体して組み直されていて、その組み直しの方向は、あなたたちの世代に有利だからだ。
この一覧の名前の付け方について一言。これが人を誤解させる。 U.S. News は毎年秋に発表し、翌年の名前を付ける。だから 2027 年版は 2026 年 9 月に出たものであり、以下で述べる大改訂は 2024 年版という名を持ちながら、実際には 2023 年 9 月に起きている。
一つめ。この一覧は「学校が何を持っているか」を測るものから、「教えられた人がその後どうなったか」を測るものへ切り替わった。
2024 年版(2023 年 9 月発表)で、U.S. News は五つの指標を一度に外した。同窓生の寄付率。高校での席次。終身在職資格に相当する学位を持つ教員の比率。学部の少人数クラスの比率。卒業生のうち連邦学生ローンを借りた者の割合。
この五つには共通点がある。測っているのは学校が手元に持っているものであって、学校が人をどう変えたかではない。 寄付が多いのは、過去に入れた人たちがいま裕福だということ。少人数クラスが多いのは、学校に資金があるということ。博士号を持つ教員の比率が高いのは、学校がそれを雇えるということ。どれも事実だが、肝心の問いには一つも答えていない。十七歳の人が入っていき、四年後に出てくる。その間に何が起きたのか。
同じ版で、四つを新設または大幅に加重した。第一世代大学生の卒業率、卒業生の収入と高卒者との比較、Pell 奨学金受給者の卒業率、そして 卒業率の予測超過。今年の 2027 年版では、加えたのではなく入れ替えた。「専攻別に分けた卒業生の典型的な収入」が、それまでの「卒業生の連邦学生ローン債務の中央値」に取って代わった。 重みは同じ五パーセント、米教育省の College Scorecard のデータで、卒業四年後の同一専攻内の収入を測る。
合計すると、成果に関する指標が、いまや総合順位の五十二パーセントを占めている。 この一覧の歴史上、最大の方法論変更だった。結果は予想どおりだ。多くの州立大学が順位を上げ、伝統的な学術的投入によって評判を支えてきた学校のいくつかが落ちた。
二つめ。この四つの数字は、読めるようになるのに十分の投資をする価値がある。
Pell 奨学金受給者の卒業率。 Pell は、低所得世帯を対象とするアメリカの連邦給付奨学金だ。ある学校で Pell を受けた学生の何パーセントが実際に学位を得たか。この数字は、硬い問いに答えている。この学校は、後ろ盾のない人をきちんと教えられるのか。それとも、もともと卒業できたはずの人に証書を渡しているだけなのか。
卒業率の予測超過。 実際の卒業率を、「この学校が受け入れた学生層から統計モデルが予測する卒業率」と並べて比べる。差がプラスなら、その学校は何かを足している。マイナスなら、入学選抜の質で食いつないでいる。この一覧の中で、「選ぶこと」ではなく「教えること」にもっとも近い数字がこれだ。
第一世代大学生の卒業率。 親が四年制の学位を終えていない学生が、この学校できちんと卒業までたどり着けるか。この層がぶつかる障害は、程度の違いではなく種類の違いだ。この数字が実際に教えてくれるのは、その学校の支援の仕組みが本当に動いているのか、それともパンフレットの中にだけあるのか、である。
専攻別の卒業生収入。 2027 年版の新指標で、卒業から四年後の見返りを測る。その有用性は、これまで絡まっていた二つを切り離した点にある。学校が与えたものと、あなた自身が選んだ専攻と。同じ学校でも、専攻が違えば収入は大きく変わりうる。進む分野の見当がすでについているなら、これが実際に使える数字だ。
三つめ。正直に言えば、この一覧にはいまも測れないものがある。
離脱した学校がある。コロンビア大学が離脱した。ハーバードとイェールのロースクールも離脱し、去り際に方法論を公に批判した。
より根の深い問題はこれだ。ランキングはいまも、世帯収入と入学時の標準テストの点数に強く相関している。 つまり「トップ」の一覧は、いまもかなりの部分で「その学校が誰を入れたか」を測っているのであって、「その人たちのために何をしたか」ではない。高等教育研究者の Christopher Newfield の批判は、まさにこの点を突いている。方法論は変わった。しかし中心にあった批判は、答えられていない。
そして、この一覧がそもそも測ろうとしてこなかった領域が丸ごとある。キャンパスの空気。芸術に触れる機会。職業・技術教育。心理的・情緒的な支え。
さらに、重みづけをどう変えても解けない構造の問題がある。途方もなく複雑な四年間が、ひとつの数字に圧縮されている。
しかしここに、元の資料が言っていない、私たちがあなたに言いたいことがある。
ランキングが測っているのは学校だ。あなたではない。
ある学校が Pell 卒業率九十パーセントを掲げているとき、それは本当のことを伝えている。この学校は、後ろ盾のない人を教える方法を知っている。 有用な情報だ。真剣に受け取っていい。それでもそれは、あなたがそこで幸せかどうか、正しい人に出会えるかどうか、ある平凡な午後に突然自分のやりたいことがわかるかどうかを、言い当てることはできない。それは測れる種類のものではない。
では、どう使うか。
二つの学校を順位で並べて比べる前に、まず一つやってほしい。紙を一枚取って、あなたがこの四年から本当に得たいもの三つを書き出す。 親があなたに得てほしい三つではない。あなた自身の三つだ。「いま何も知らない技能をひとつ身につける」かもしれない。「本当のことを言ってくれる友人を数人見つける」かもしれない。「育った場所を離れて、別の暮らし方を見てみる」かもしれない。
書き終えたら一覧に戻り、その三つに答えられる数字を探す。答えられるものもある。卒業率の予測超過は答えられる。Pell 卒業率も答えられる。答えられないものもあり、それについては別の場所で探すことになる。いまそこにいる学生に聞く。サークルの一覧を読む。一日過ごしてみる。
ひとこと添えておく。いまあなたが「親が望む合格先」と「自分が現実に届く範囲」のあいだに挟まっているなら、それは別の主題であり、別の記事で書いた。短く言えば、いちばん上にたどり着ける人の数は、はじめから決まっている。 それと、あなたが精一杯やったかどうかは、まったく別の問いだ。
最後に。
2024 年の変更は本物の前進だった。問いを「この学校は誰を合格させたか」から「この学校が教えた人は、その後どうなったか」へ動かしたからだ。この移動は正しい。
それでも、問いの全部ではない。ランキングだけを読んで決めた家庭は、いちばん大事な判断を一冊の雑誌に外注したことになる。 あなたは十七歳で、手の中にあるのは順位ではなく、一つの人生の形についての決定だ。二つの数字は助けになる。最後の一歩は、自分で踏むしかない。
### 立ち止まって考えたい問い
一、いますぐ「この四年から本当に得たいもの三つ」を書けと言われたら、書けるだろうか。書けないとしたら、それは考えたことがないからか、それとも、ずっと考えてきたのが「誰かがあなたに得てほしい三つ」だったからか。
二、直近で、あなたが何かの良し悪しを順位で判断したのはいつだったか。そのとき、その順位が実際に何を測っているか、わかっていただろうか。
三、あなたの候補の中で順位がいちばん低いのに、卒業率の予測超過はいちばん高い学校があるとする。この二つの情報が食い違うとき、あなたはどちらを信じたいだろうか。なぜそちらなのか。
読者の声
読み終えて、どう感じましたか。
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